展覧会を総じての感想は、
光の表現は常に芸術家たちの
関心の中心にあり、
時代ごとにさまざまなアプローチが
試みられてきたことが分かる美術展
だった。
①時系列的に言えば、まず
光はシンボリックな意味合いを持つ
平面的な描写が主流であった。
②そして絵画は宗教的なテーマから
日常の風景や人々の姿へとシフトし、
光の表現はより現実的かつ詳細になった。
この時代の光の探求の代表作と言えるだろう。
光を細やかに捉える彼らの技法は、
後の多くの芸術家に影響を与えた。
やはり、技術的な進化など抜きにして、
私は個人的に印象派が大好きである
ことを再認識する。
注記、
展示会に無かったが、
補足の知識としては、下記二名は
美術史として、外せないだろう。
★カラヴァッジョの
強烈なコントラストを持つ光と影の表現。
★また、レンブラントの柔らかな光の
グラデーションと深い影のテクニックで
人物の内面を浮かび上がらせた表現。
③今回の展示会の主役はターナーだった。
19世紀のイギリスの画家。
光の中に情熱や感情を投影した。
彼の作品は、色彩と光の爆発的な
組み合わせにより、観る者に
強烈な印象を与える。
④ターナーが主役との由縁は、
彼の光彩の理論が秀逸で、
後世に与えた影響が大きすぎることだろう。
⑤20世紀に入ると、抽象芸術が台頭。
多くのアートムーブメントが誕生した。
中でも、マーク・ロスコの作品は
色彩と光の層を積み重ねることで、
観る者の心の奥深くに訴えかける
独特の世界観を持っていた。
https://www.tate.org.uk/art/artworks/rothko-light-red-over-black-t00275
以前に見た抽象画展では理解が
追いつかなかった抽象画も、
光彩からのアプローチで、
その真髄を垣間見ることが出来たように思う。
★まとめ
美術展を訪れ、
これらの歴史的背景や芸術家たちの
探求を肌で感じる経験となった。
新しい知識や視点を得ることで、
それまでの認識が深まり、
作品に対する理解が豊かになる。
美術展巡りは、洞察や発見の連続であり、
それが醍醐味だといえるだろう。