展覧会『キュビスム展 美の革命』へ行ってきた。
1) 展示会の概要
いつも会期が終わるギリギリにいっていたのだが、
今回は余裕を持って観に行けた。
(2023年10月3日(火)から2024年1月28日(日)まで)
パリのポンピドゥーセンターの大改修工事の
タイミングに乗じて開催された、今回の展示会。
多数の作品が来日し
(日本初出品作品も多かった。)、
約140点の作品で、キュビスムの展覧会としては
50年ぶりの大規模美術展。
嬉しいことに、写真撮影がほとんどの作品で可能!
今回の目玉の一つは、なんといっても、
音声ガイドに山田五郎氏が参加しており、
キュビスムについて深く、
楽しく理解することができた。
2)キュビスムの基本
キュビスムは、20世紀初頭にパブロ・ピカソと
ジョルジュ・ブラックによって始められた美術運動。
対象を複数の視点から分析し、
立体を平面化して再構築する手法を特徴としている。
キュビスムの起源には、写真の発展、
セザンヌの多視点絵画などの影響がある。
3)展覧会の構成
展示の流れで、キュビズムの源泉から、
その進化と世界的な広がりについて、
理解できる内容だった。
> セザンヌの影響
> 分析的キュビスム(ピカソとブラックの作品)
> サロン・キュビスム
> デュシャン兄弟とピュトーグループ、
> メゾン・キュビスト、
芸術家アトリエ「ラ・リュッシュ」
> 東欧からきたパリの芸術家たち、立体未来主義
> キュビスムと第一次世界大戦、
> キュビスム以降
4)印象的な作品
①先に観た展覧会で、
フォービズムやモダンアートに
大きな影響を与えたセザンヌだが、やはり
キュビズムへも多大な影響を与えていた。
セザンヌ、ポントワーズの橋と堰
セザンヌ大回顧展に影響を与えられた
ブラック、レスタックの高架橋
(キュビズムという言葉の起源となる作品
②サロン・キュビズムの代表作品。
作品が巨大では、大迫力であった。
ドローネー、パリ市
(横幅4メートル!
③キュビズムは「はしか」のように短時間に
世界に広まり、シャガールにも影響を与えていた!
ということで、作品も数点見れて嬉しかった。
シャガール、ロシアとロバとその他のものに
④キュビズムの分析的な手法から、
機能性を純粋抽出して、コルビュジエの
ピュアリズムが出来上がる。
(そういう発展だったのか!)
コルビュジエの建築
5)まとめ
美術展を通して、毎回思うことは、
単に絵の美しさを楽しむだけではなく、
背景を読み解くことで、偉人たちの試行錯誤や
戦争の影響が人々にどのような影響を与えたのか
など歴史の歩みを感じることができる。
また、様々な美術展を訪れることによって
複合的に作品をみることができるようになり、
さらに作家や作品への理解がすすむことが
とても楽しいと思った。