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芥川賞作品を読んでみた

美術やクラシック音楽のような高みにある
文章の芸術と言えば、芥川賞受賞作品である。

今回は、芥川賞作品を読んで、
その独特の雰囲気と深いテーマに引き込まれた体験を
書いてみたいと思う。


★「Audible」

私事だが最近、
忙しい中で本をゆっくり読むことができない。

まして、芥川賞受賞作品のような比較的難しい文章を
ゆっくり鑑賞するエネルギーが、仕事の後には残っていない。

そこで隙間時間を利用し、朗読を聞かせてくれる「Audible」
を使って耳で朗読を聴くことで、
これらの作品と向き合うことができた。


★文章の芸術性、「純文学」とは何か

まず、読後に感じたことは、
エンターテイメント性がある直木賞の作品と比べて、
芥川賞受賞作品は純文学の要素が際立ち、
異なる魅力を持っていることだ。

私が最近読んだ本は、「むらさきのスカートの女」、
パーク・ライフ」、そして「コンビニ人間」。

これらの作品はどれも共通して、
読み進める過程で、何が読者に示されているのか、
そしてどのような感情を抱かせるのか、
疑問が湧いてくるものだった。

途中で、迷子になってしまう不安感を感じた。

一般的な読み物、つまり
私たちが普段触れる文章には起承転結があり、
通常、筆者が読者を導く責任があるとされている。

しかし、芥川賞作品はその枠組みから外れ、
結末への導きが明確ではないことが多い。

その一方で、奇妙さや不条理な要素も散見される。

これらの作品を読み終えた後、
何か特別な芸術作品を鑑賞した後のような独特の余韻を感じた。


★「純文学」の独特の余韻を、お酒に例えると、、

たとえるならば、
濃い赤ワインを飲む感覚が近いかもしれない。

ワインに感じる、ジュースのような甘さではなく、
代わりに渋みや複雑な風味。


または、良いシングルモルト・スコッチ
を飲んだ感覚。

あの、モルトウィスキー特有の
非常に飲みにくくさせる、同時にクセになる
「ピート臭」のように。


★芸術一般に通じる、「純文学」の複雑性

これらの作品は、
理解し難い複雑な感情やメッセージを含んでおり、
読者に深い考察を求めている。

しかし、芸術一般と同様に、
文学の複雑性は簡単に理解されるものではなく、
その背後に隠された深層のメッセージや感情を伝える
役割を果たしていると思う。

芥川賞作品の芸術性は、
独特のメタファーや表現を通じて、
人間の本質や複雑な現実を浮き彫りにする
特異な手法によるものなのだろう。

作品を通して、美術展に行った後ののように、
これらの作品の読後、新たな視点を獲得し、
自身の感情や考えを深めることができたように思う。