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ルーブル美術館展が楽しみ Part 2

いよいよ、ルーブル美術館展へ行く日が
近づいてきた。

先日、作品のテーマとなるギリシャ神話、
キリスト教神曲などの知識がないと
理解ができないだろうと書いた。



今回は、別の切り口として、
ざっくり西洋美術史という視点を
纏めてみようと思う。

美術の世界において、
絵画を理解するためには
西洋美術史の知識が不可欠である。

その理由は、絵画とは、時代背景、
作者の個性、社会や文化の影響を
映し出す鏡のようなものだからだ。



以下に西洋美術史の概略と、
美術展で見ることができる、
それぞれの時代の作品を列挙した。

これで分かることは、この展示会で
ルネッサンスバロックバロック古典、古典、
ロココ、新古典を、同じ「愛」というテーマで、
ギリシャ神話、キリスト教神曲などのモチーフ 
を通してみることができることだ。

凄すぎる。

一気に美術知識が頭にインストールされてくる!



★まず始まりは、古代ギリシャ・ローマ時代。
美術の中でも最も初期の例として、パルテノン神殿の彫刻や、ポンペイの壁画が挙げられる。
これらの作品は、自然や人間の美を追求し、現実を忠実に再現することに重点を置いていた。


★中世の期間は、
キリスト教美術が主流となる時代である。
ビザンチン美術やロマネスク、ゴシック美術など、
宗教的な題材が多く描かれた。
その中でも、ジョットの「聖フランチェスコの生涯」は、中世絵画の傑作と言える。


ルネッサンス時代に突入すると、人間中心主義と科学的な視点が絵画に大きな影響を与えた。
レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」や
ミケランジェロの「システィーナ礼拝堂の天井画」
は、この時代の象徴的な作品である。

展示会では、
ティントレット『アドニスの死』が見られる


★次にバロック時代、ロココ時代は、装飾性と感情表現が強調された。古典主義は、古代ギリシャとローマの芸術と文化に触発された芸術の運動。

カラヴァッジオの「聖マタイの召命」、ルーベンスの「ライオン狩」、フラゴナールの「ブランコ」などが該当する。

展示会で見られる古典主義の作品は、
ドメニキーノ『リナルドとアルミーダ』
(トルクァート・タッソの叙事詩
『解放されたエルサレム』に登場する物語)

展示会のバロック古典主義の作品は、
ピーテル・ファン・デル・ウェルフ『善悪の知識の木のそばのアダムとエバ
ウスターシュ・ル・シュウール『キリストの十字架降架』
リオネッロ・スパーダ『放蕩息子の帰宅』

展示会のバロック時代では、
サッソフェラート『眠る幼子イエス
サミュエル・ファン・ホーホストラーテン『部屋履き』
ハブリエル・メツー『ヴァージナルを弾く女性と歌い手による楽曲の練習』

シャルル・メラン『ローマの慈愛』
(特にこの作品は)バロック期の作品でありながら、その特性は新古典主義に向かう過渡期の特徴を持つ
古代ローマのウァレリウス・マクシムスの「著名言行録」に描かれている父キモンと娘ペロの教訓的な逸話)

さらに、
展示会ではロココ時代の三巨匠の作品も
見ることができる。

①フランソワ・ブーシェの『アモルの標的』
『ニンフとサテュロス
『褐色の髪のオダリスク
オダリスクは19世紀のヨーロッパで描かれた東洋のエキゾチックで神秘的なイメージのモチーフ。
肖像画や風俗画の主題として描かれた)

②ジャン・オノレ・フラゴナール『かんぬき』
③アントワーヌ・ヴァトー『ニンフとサテュロス
(ギリシャ神話)

さらに、
バスティアーノ・コンカ『オレイテュイアを掠奪するボレアス』(ギリシャ神話)
ニコラ・ランクレ『鳥籠』
ジョヴァンニ・バティスタ・サルヴィ『眠る幼子イエス


★そして、新古典主義は、
古代ギリシャ・ローマの美的価値観の復興を
目指す動きで、
ジャック・ルイ・ダヴィッドやジャン・オーギュスト・ドミニク・アングルなどが活躍した。

展示会では、
フランソワ・パスカル・シモン・ジェラール『アモルとプシュケ』(ギリシャ神話)
クロード・マリー・デュビュッフ『アポロンとキュパリッソス』(ギリシャ神話)


★19世紀に入ると、ロマン主義から印象派
ポスト印象派へと美術の流れは移り変わった。
ターンヤーの「戦艦テメレール号の最後」、
モネの「睡蓮」、ゴッホの「星月夜」などが、
各時代の特徴を色濃く反映している。

展示会では、ロマン主義の巨匠の作品が見られる
ウジェーヌ・ドラクロワ『アビドスの花嫁』

他にも、
アリ・シェフェール『ダンテとウェルギリウスの前に現れたフランチェスカ・ダ・リミニとパオロ・マラテスタの亡霊』(神曲、地獄編)
ギヨーム・ボディニエ『イタリアの婚姻契約』
テオドール・シャセリオー『ヘロとレアンドロス』(ギリシャ神話)


★以降、20世紀に至り、キュビズム
シュルレアリスム、抽象表現主義などの
新たな芸術運動が起こるが、
今回の美術展では取り扱われないので割愛する。



以上のように、西洋美術史を知ることは、
一枚の絵画が持つ複雑な要素を読み解く鍵である。
それぞれの時代が持つ独自の文化や視点、技術、社会的背景を理解することで、
作品に込められた深いメッセージや芸術家の意図をより深く理解できるのだ。

これは、単なる視覚的な美しさを楽しむ以上の絵画の価値を体験するための道筋と言えるだろう。