今日のザックリ経済は、「フィリップス曲線」
この理論を額面通りに理解すると、
これからインフレ率が急上昇するかもしれない
ということを纏めてみたいと思う。
★「フィリップス曲線」
「フィリップス曲線」は、
失業率とインフレーション率との間に
逆比例的な関係
となることを示している
横軸: 失業率
縦軸: インフレーション率
つまり、失業率が低いとき賃金が上昇し、
それに伴って
企業が生産コストを上昇させざるを得なくなるため、
商品やサービスの価格も上昇し、インフレとなる。
★「失業率」
一方で、直近の失業率は2.5%となった。
★今、どこに位置するのか?
両者のグラフを見比べて、気づくことは、
現在の失業率2.5%が2.0%に近づくにつれて、
インフレ率が急上昇することである。
★「金融緩和」
ここで、好景気を微塵も感じないのに、
失業率が下がった理由であるが、
これは、実は金融緩和である
デフレの時に金融緩和すると、
低金利が提供され、
企業は借入コストにリソースを割く
必要が少なくなり、
労働力の雇用に充てることができる
リソースが増える。
これにより、新たな雇用機会が増え、
失業率が低下した。
★今は、均衡状態に近い
実は、現時点の失業率2.5%と
インフレ率2.0%弱が、絶妙な位置にあり、
理想的には維持すべき位置にある。
これ以上、金融緩和はインフレを起こすだけであり、
つまり、金融政策は転換点にあるのである。
これは、失業率が下限に近付く中で、
金融緩和が過剰に行われると、
資金供給が余りまくり、
需要急増に対応できず物価が急上昇するからだ。
まさに、グラフが示すとおりである。
★「物価2%目標」
以上、見てきた通り、
インフレ率が2%を超えて景気が過熱してくると、
失業率が大して下がらない割に
インフレ率が大きく上がる傾向になる。
すなわち、2%物価安定目標は、
雇用と物価の双方ともが
ちょうど良い絶妙な状態であることを
狙って定められた値である。
これが「物価2%目標」の正体である。
★ジレンマ
これからの日本の舵取りは難しい
均衡を崩す要因に、労働人口の減少、
特に直近で「運輸の2024年問題による」
人手不足がある。
人手不足は、物価を押し上げるだろう。
さらにコロナ後の供給不安定、
そして資源価格上昇、金利差が生む円安
輸入価格上昇もインフレを進ませる。
しかし、日銀としては、
直ちに金融緩和を終わらせられない。
多少のインフレ傾向が見えても、
根強いデフレマインドを払拭するためには
時間が必要である。
★まとめ
上記の筋書きが正しいとすると、
今後、失業率が2%に近づくにつれ、
欧米並みの物価急上昇が起こる可能性がある。