「現代経済学の直観的方法」
長沼伸一郎著
を読んでいる。
数学、物理、生物、歴史など、
他の学問理論とのアナロジーで解説するので、
珍しい知見を得ることができる。
何回かに分けて抜粋してみよう!
の二回目。
★金利
資本主義では、成長し続けなければ
システムを維持することができない。
それは金利が存在するからである、
という言説が面白い。
資本主義では、
金を借りて早く成長したものが
生き残る。
投資の量とスピード、
つまり圧倒的な設備投資で
競争に勝つケースが多いからだ。
銀行は金を貸す代わりに、
利子を課す
その利子率が、企業の成長の
ベンチマークとなる
つまり、企業は借りた利子分、
成長し続けなければならない。
ゼロ金利政策の前、過去、
平均利子は3%だった
年3%成長とは、複利で考えると、
24年で倍に成長することを意味し、
実は恐ろしく高い目標である。
どれだけ生産性を高めても
馬車馬のように働かなければならない
理由はココにある。
この際限の無い資本主義の
成長要求を抑える為に
歴史上、
キリスト教による免罪符販売や、
イスラム教の無金利や喜捨があった。
要は貨幣を巻き上げ、
富の集中を無くしたわけだ。
★私の感想
以降、行き過ぎた成長を止めるための
宗教に代わる何かについて、
この本の後半に言説があるが、
それはまたの機会とする。
少し古い本なので、
その後に起こったことはご存じの通り
ちょっと前まで世界はゼロ金利政策で
金利・成長ベンチマークが極端に下がった。
資本主義の終焉を唱える本も出た。
そこへ最近の世界インフレと金利高、、
完全にバグっている気がする!
と、思考停止するのを、
何とか踏み留まり考えてみる
要は、行き過ぎた経済目標のハードルを
下げるべく、貨幣の価値を下げた
その結果、ビックリする位成長したので、
今度はハードルを上げるべく金利を上げた
やっぱり、バグっている、、
いや、結局、我々は何も変わっていなくて
変わったのは制御不可能になった
大量の紙幣、または欲望の潮流なのだ
近視眼的な欲望が膨らみ、
それほど価値の無いものに短期で売買を
繰り返し、他を出し抜こうと必死になる。
そんな資本主義に成り下がったのだ。
これも、言い過ぎ。
もう少し良く読んで勉強しようと思う。