「現代経済学の直観的方法」
長沼伸一郎著
を読んでいる。
数学、物理、生物、歴史など、
他の学問理論とのアナロジーで解説するので、
珍しい知見を得ることができる。
何回かに分けて抜粋してみよう!
の四回目。
★ケインズ経済学
古典派経済学では、
神の見えざる手で、
景気調整される訳だが、
不景気の時にエラーが起こる
つまり
景気調整の時、一時的な資金不足が
需要側、供給側の身動きを取れなくする
そこで
経済政策をすることで
このエラー解消させる
のがケインズ経済学
★金本位制の限界
金本位制の下では
貿易収支が傾いた時に
赤字国で資金不足が起き、
供給側の身動きが取れなくなる
つまり
貿易赤字で金が外国へ流出し、
国内で金の価値が上がり物価が下がる。
すると、他国より物が安くなる。
このチャンスに増産して
輸出しようと思うが金がない
となる。
金本位制から変動相場制への移行は
通貨発行による
経済成長の牽引が必要となったから
★基軸通貨ドル
どうやって
ドルが基軸通貨となったのか
それは強大な軍事力と経済力
による信用力が可能にした
逆説的な説明だが、
米国ほど強い国が無く、
また貿易決済には基軸通貨が
あったほうが便利なので
ドルが基軸通貨となった
★ドルの信任
一国の通貨が世界の決済に
使われることで大量の通貨が
必要になる
つまり
各国の外貨(ドル)準備高のため
大量にドル紙幣を発行する必要がある
そしてドル供給のため
ここでドルの信任が試される。
つまり貿易収支が悪い国の通貨が
暴落するかどうか
いまのところ、
ドルは信任を得て、暴落していない。
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★私の感想
ドルが基軸通貨であるから、
という言説はとても面白い
もし正しいとすると、
色々想像が膨らむ
貿易赤字で良いということは
外国からドンドン輸入しても
良いわけで、大量消費しても良い
アメリカがハッピーなのは
そういう構造だからでは?
日本は外貨準備高を貯め、過去
一生懸命に貿易黒字を出してきた
つまり、
アメリカのために世界は働き
その分、アメリカは世界の警察
となる構造である
こう考えるとアメリカが正義感で
世界秩序の維持を担うわけではなく
単にドルの信任のためでは?
最近、日本が貿易赤字だが、
今まで外貨準備高をためて来たから
大丈夫では?
財務省の為替介入は、
国民が頑張って
過去の貿易黒字で得た
外貨準備高の取り崩し。
差益は国民に戻すべきでは?
などなど、想像が膨らむ
面白い本である